学生キャリアコンサルタント

以前、学生向けのキャリアコンサルタントをしていたという知人Aから聞いた、その当時起きた珍事件を少しご紹介してみようと思います。Aも遠い昔に、学生時代というものを過ごしましたが、社会人になる準備というのは、なんとなく周囲の動向に合わせてぼんやり活動していましたが、実際のところは、社会人になるという覚悟のようなものは、漠然とアバウトなものでありました。社会人とは、学生時代に遊び半分で出入りしていた居酒屋のアルバイトに毛が生えたようなものだと考えていたような、甘ちゃんの学生だったそうです。そのような甘ちゃんの自分と比較すると、最近の学生の子たちはなんとも、しっかりと世の中を見据えているのだなと感じていましたが、時々、Aのような世の中に疎い子が、Aの勤めていたキャリアセンターに訪れると、なんだか他人事とは思えなく愛おしくなってしまったそうです。

社会に出て職を得るという事は、誰にとっても簡単な事ではありません。ですがその職業によって、人生としての価値観が大きく変わる事もあるという事を、これから社会に出て行く学生たちの相談を受けながら日々、感じていたようでした。学生たちは、現在の学生としての立場から卒業とともに社会に出る気持ちで相談に訪れますが、社会に出る為のスタートラインは、皆、同じではないとA自身は考えていると話してくれました。もちろん、学生時代に卒業後の生き方を模索する必要はありますが、卒業後が、必ずしも社会人としてのスタートラインであるとは、考えていません。社会人としてのスタートラインなど、最初から存在しないと考えた方がしっくりくるのではないかと考えています。Aが在籍していたキャリアセンターに相談に訪れた学生の中には、何人か思い出深い子たちがいたとA自ら語ってくれました。そのうちの1人の学生のお話をしたいと思います。彼は、ある日、医者になりたい!と、「医師 求人」サイトを自分のスマートフォンの画面に表示しながら、キャリアセンターの受付に訪れました。その時はじめて、Aは、「医師 求人」サイトというものがある事を知り、驚かされた記憶が鮮明にあります。医学部の無い大学構内の学生キャリアセンターに居た経験の中で、それまで、「医者」になりたいという学生に出逢う事がなかったのです。Aは、初めての相談内容に、少し慌てながらも彼の話しを詳しく聞きく事にしました。