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情勢悪化続くリビアと日本の立ち位置

地中海に面し、エジプトとアルジェリアに挟まれたリビア。世界有数の産油国としての豊富な石油資源を背景に、一部有力者が独占するという体制に国民の不満は募っていったとされています。そんな政権に不満を持つカダフィ率いる中堅将校によるクーデター勃発で同国の歴史は一変しました。当初は社会主義思想に基づく石油施設の国有化で、国民への富の還元を行っていきましたが、一方で各地のイスラム系武装勢力を支援したため国連からテロ支援国家とみなされ制裁を受けたこともあり、その後態度を軟化させたと言われています。そんな流れの中、2011年におこった「アラブの春」の影響は同国にも及び、打倒カダフィの反政府勢力によるデモが激化し、政権の軍投入で事は更にこじれ、内戦状態へと突入してしまいました。2011年9月には反政府勢力の首都トリポリ陥落でカダフィは捕らえられ殺害。ここに40年以上続いて独裁政権は崩壊し、2012年には選挙が実施されて、民主化への歩みを始めるかに見えた矢先に、同国内で活発化していたイスラム系武装勢力の動きのなか、2012年9月にアメリカ領事館襲撃事件勃発で、米国の駐リビア大使含む4人が殺害されるに至り、情勢は一気に険悪化。2013年8月には、イスラム系武装勢力によるパイプライン封鎖という事態を招くと共に、国内の強力な政権消滅という時期とも重なり、増々その情勢不安は増すばかりとなってしまいました。さらに悪い事には、それまでに独裁政権が保有していた武器が周辺諸国の武装勢力に流出し、内外共にさらなる情勢悪化を招いてしまったのです。このような歴史のなかで、日本の立ち位置は、2012年内戦の負傷兵士に向けた数々の技術支援を行う中で、民間企業の石油精製事業への進出などが行われ、同国との絆を深めていったのです。敢えて経済協力という文言は使用せずとも、何とか同国との友好関係を築こうと活発な交流が図られていったとされています。官民挙げての支援は、日本が同国へどんなに期待をもっていたかを表していると言えるのではないでしょうか。